2008年02月14日

ケアマネージャー

介護支援専門員とも呼ばれ、介護の専門職のひとつです。各市区町村から委託を受け、要介護認定の申請に必要な訪問調査を行います。また、要介護の認定後は、ケアプランの作成をします。要介護者本人の心身的状況や生活状況などを理解し、どのような介護をどのくらい必要か、最適なケアプランの作成が求められます。その他の業務として、介護サービスがケアプランに沿って提供されているか確認したり、要介護認定の申請援助などがあります。また、ケアマネージャーの資格は、2004年から施行された「介護保険法」により、公的な資格となりました。

ホームヘルパー

訪問介護の際、要介護者の自宅に訪問し、実際にサービスを行う人のことで、訪問介護員とも呼ばれています。ホームヘルパーは、大きく分けて、介護保険制度でのヘルパーと、障害者支援費制度でのヘルパーに分けられますが、介護保険制度でのヘルパーが圧倒的に多いです。公的な資格ではなく、ホームによっては資格のない、介護スタッフもいます。ホームヘルパーは3段階に分かれ、掃除や洗濯などの家事支援を行う3級、おむつ交換や排泄、入浴、食事介助などの身体介護の介助を行う2級、ヘルパー管理ができる1級があります。ホームヘルパーは老人保健施設や特別養護老人ホーム、療養型病院、デイサービスセンター、訪問介護事業所などさまざまな場所で活躍しています。また、知識や記述を生かして、ボランティア団体で活躍するヘルパーさんもいます。

介護福祉士

要介護者に対し、生活上の援助を行う国家資格です。介護についての専門的な知識や技術を持ち、必要に応じて、介護者の能力の維持や回復の援助をしながら、自立への支援を行います。食事、入浴、着替えなどのサポート、掃除・洗濯などの家事援助、通院の付き添い、外出や送迎、緊急時の対応、要介護者の家族への助言など、幅広い業務をこなします。介護福祉士は、特別養護老人施設や介護老人施設、訪問看護やデイサービス施設、病院など、介護に関するいろいろな現場で活躍しています。介護福祉士になるには、高等学校卒業または同等以上の後、専門機関で2年以上専門教育を受け卒業するか、実務経験を3年以上行い、介護福祉士の国家試験を受け合格する必要があります。

介護職員

有料老人ホームなどで、入居者に対し、健康維持のためアドバイスをしたり、介護サービスの提供など、生活全般を援助する職員で、「ケアワーカー」とも呼ばれています。訪問看護を行う職員とは異なり、介護職員になるための資格はなく、採用試験に合格すれば、介護職員として、仕事ができます。しかし、主な仕事が高齢者の介護サービスなどの業務のため、雇う側である有料老人ホームが、社会福祉士やホームへルパーの資格所持者であることを採用条件として打ち出している場合が多いようです。

【介護職員 一口メモ】
厚生労働省が「介護職員について、将来的には、介護福祉士を基本とする」と示す方針に基づいて、2007年度より「介護職員基礎研修」が実施されています。資格ではなく、研修ですが、今後、介護職員などの介護職に就きたいと考える人は研修を受講することが推奨されます。

介護サービス苦情処理委員会

介護サービス苦情処理委員会とは、介護保険の指定事業者から提供される、介護サービスについて、利用者からの苦情申し立てがあった場合、中立な立場で対応する組織です。介護保険サービスを提供している事業者に苦情を訴えても状況が改善されない場合、事業者へ調査や指導を行います。特に、悪質な場合は、介護保険指定事業者の指定を取り消すこともあります。申し立て人には、苦情処理の結果報告が通知されます。介護サービス苦情処理委員会は、学識経験者などで構成され、都道府県ごとにある国民健康保険団体連合会が窓口になっています。

介護保険審査会

要介護認定の申請者が判定結果を受け、その判定結果に納得がいかない場合に、介護認定への不服申し立てを受けて審査する機関です。介護保険審査会には、要介護認定の他に、介護保険給付に関することや、介護保険料の徴収金に関することなども申し立てることができます。認定結果などに不服があった場合、認定結果の通知をもらった翌日から60日以内に、介護保険審査会に苦情申立書を提出し、審査請求ができます。介護保険審査会は都道府県ごとに設置されています。介護保険審査委員は、被保険者代表3名、市町村代表3名、公益代表3名以上から構成されます。都道府県知事が任命し、任期は3年です。

介護認定審査会

要介護認定の二次判定で、申請者が介護保険を受けることが適当かどうかや、要介護度などを決定するために、審査を行う組織のことです。介護認定審査会が審査をする二次判定では、一次判定の結果、家族の意見などの特記事項、主治医による意見書の内容をもとに審査・判定を行います。介護認定審査会は市区町村ごとに設置され、審査委員は医療・保険・福祉の各分野の専門家により構成されています。各分野の専門家は、数名ずつ在籍しており、各分野の専門家から構成された5名ほどの合議体が数グループあります。実際の審査・判定は、これらの合議体により行われます。介護認定審査会は、市区町村から任命を受け、任期は2年です。介護認定審査会の審査結果は、要介護認定の最終結果となり、申請者に通知されます。

介護保険制度

介護保険制度は社会保険で、高齢の要介護者に対して、介護サービスを提供する制度です。介護保険は、40歳以上の人が加入しなければならない強制保険です。保険料は市区町村に支払わなければなりません。したがって、保険者は市区町村、被保険者は介護サービス利用者になります。介護保険制度の仕組みは65歳以上で介護が必要になった状態か、40歳以上65歳未満で老化が原因とされる16種類の特定疾患により介護が必要な状態になった場合、市区町村に要介護認定の申請をします。審査により要介護認定をされると、施設サービスや在宅サービスなどの介護サービスを受けることができます。介護保険適用のサービスについては、一割の自己負担で受けることができます。残りの9割分の費用は、保険者である、市区町村から介護サービス事業者へ支払われます。

任意後見制度

本人がまだ、元気で判断力がある間に、将来、痴呆などで判断力が低下または、なくなったときのことを考え、信頼できる人との間に、自分の生活や、介護や医療、財産管理などを、どうして欲しいのかなど、任意後見契約を結んでおきます。そして、実際に、本人の判断能力が衰えた時、任意後見人となり、本人の意思を代弁する制度です。任意後見契約は、公正証書を作成し、法務局に登記する必要があります。

【任意後見制度 一口メモ】
任意後見人には、兄弟、自分の子ども、孫、などの親族の他、親しい友人でもなることが可能です。弁護士などの専門家や社会福祉法人などを任意後見人にすることもできます。

成年後見制度

認知症、痴呆などで、判断能力が低下、または、能力が失われた人を対象に、援助者を付ける制度です。援助者は成年後見人とも呼ばれ、代理人として、契約を交わしたり、本人があやまった判断をして、契約を結んでしまった場合、その契約を取り消すことができることにより、本人を不利益なことから守る制度です。援助者は法律上の権利を守り、本人の意思を代弁します。成年後見人制度を適用するには、家庭裁判所に適任者を選んでもらう方法や、利用者本人が、判断能力が低下する前に、援助者本人に依頼する方法があります。

高額介護サービス費

介護保険適用の介護サービスを利用した場合、一割の自己負担になりますが、負担する一割部分が、一世帯の合計支払額で一定基準をオーバーした場合に支払われる費用のことです。基準額は1ヶ月ごとに設定され、一般世帯は、月37200円、世帯全員が住民税非課税対象者の場合、月24600円、生活保護や老齢福祉年金などを受けている世帯は月15000円です。世帯ごとの基準額は、一世帯に複数の介護サービス利用者がいても、変わりません。福祉用具の購入や住宅改造費の一割負担や有料老人ホームでの上乗せサービス料や食事の負担額は対象金額には含まれません。また、高額介護サービス費の申請については、オーバーした時点で世帯に知られてくれるところや、申請しないと支払われないところと、各市区町村などにより、異なります。

介護保険給付

介護保険給付とは、介護保険のサービスを利用したときに、サービス料の9割分を介護保険などから事業者に支払うことです。サービスの利用内容や、要介護度などから、介護給付、新予防給付、地域支援事業の3タイプがあります。介護給付は、要介護1~5の人がサービスを利用した場合の介護保険からの給付です。すべての施設サービスと在宅サービスを受けることが可能です。新予防給付は、要支援1または2と判定された人に対し、介護保険から給付されます。短期入所サービスを除き、特別養護老人ホーム、介護老人ホーム、介護療養型施設への入居については非対象になります。地域支援事業は、要介護者や要支援者を対象として、市区町村で独自に行う保険給付のことです。

介護上乗せサービス

有料老人ホームなどで、国が定めた基準値以上で提供される介護サービスのことを上乗せサービスといいます。例えば、特定施設入居者生活介護の指定を受けている有料老人ホームでは、スタッフの人数は、入居者3人に対し、看護・介護スタッフ1人が最低基準として規定されています。それを、入居者2人に対し、スタッフ1人にしたり、、最低基準を上回る体制をとり、上乗せサービス料として、入居者に請求されます。上乗せサービスは介護保険適用外のサービスなので、全額自己負担になります。また、上乗せサービス料金は、ホームによって金額設定が異なり、金額自体も大きな開きがあります。

介護保険 一割負担

介護保険適用の介護サービスを利用した場合、自己負担しなければならない金額の割合のことです。介護サービスを利用限度額内であれば一割負担で利用することができます。利用限度額を超えた場合、介護保険適用外となり、全額自己負担となります。自己負担額が一割負担の場合、残りの9割は、国と市町村と介護保険で負担されます。

【一割負担 一口メモ】
介護付き有料老人ホームでは、介護サービスは日額制で支給限度基準額内では、一割負担ですが、介護保険の基準値以上のスタッフを置き、上乗せサービスを提供した場合などは、介護保険適用外となり、全額自己負担になります。また、住宅型有料老人ホームでは、利用した介護サービス分で、支給限度基準額内は一割負担になります。基準額内に収まるように介護サービスを受け、オーバーした分は全額自己負担になります。

要支援者

介護保険制度による、要介護度で要介護1より軽い状態のことで、要支援1と要支援2があります。要支援2の方が重度の要支援になります。要支援者とは、介護保険制度では「要介護状態になる可能性のある65歳以上の人」、「要介護状態になる可能性のある40以上65歳未満の人で、要介護状態になった原因が、政令で定めた特定室疾病で生じたものであること」としています。要支援者は、要介護者ではないのですが、介護保険は利用できます。

【要支援者 一口メモ】
要支援者には、要支援1と要支援2がありますが、その分類は、要支援2は要介護認定で、「要介護1相当」と判定され、二次判定で振り分けられたものです。

要介護認定

要介護認定とは、介護保険サービスを利用するために必要な認定のことです。各市区町村の窓口で申請を申し込むと、家庭訪問調査による一次判定、介護認定審査会による二次判定と2回の判定を行い、その後、申請者本人に、判定結果が通知されます。要介護認定は、自立、要支援1・2、要介護1~5に分類され、要支援1・2、要介護1以上に認定された場合は、介護保険の利用ができ、実際に利用するために、ケアプランの作成、提出を行います。また、要介護認定の判定に不服がある場合、都道府県に設置されている、介護保険審査会に不服の申し立てを申請し、要介護認定の判定審査を取り消すことなどができます。

要介護 二次判定

要介護認定を受けるために、市区町村に申請を出し、家庭訪問などから要介護度を判定した一次判定の後、二次判定となります。二次判定は、保険・医療・福祉の各分野の専門家で構成された「介護認定審査会」で、主治医の意見書や家族の意見が書かれた特記事項、一次判定の結果をもとに、要介護認定の最終判定を行います。二次判定の介護認定調査会は、判定だけではなく、介護サービスを活用するための注意点や、状態の悪化を防ぐための必要なケアなどについて、意見をすることができ、今後の介護プランを考える際の参考資料になります。二次判定の結果は、申請者本人に伝えられ、要支援1・2、要介護1以上に認定された場合、介護保険が利用でき、そのために、ケアプランの作成をしなければなりません。

要介護 一次判定

介護保険サービスを利用するために、要介護認定を受ける場合、市区町村の窓口で要介護認定の申請をします。申請をすると、市区町村の職員による家庭訪問にて、心身の状態や介助の必要性についてなど質問します。公平な判定を行うため、質問の結果をコンピューター入力します。また、心身の状況について、特記事項を除いた79項目を点数化します。さらに、介護に必要な一日あたりの合計時間を算出し、要介護度を判定します。家庭訪問し、その結果を素に、要介護度を判定するまでを一次判定といいます。一次判定は、最終判定ではありません。一次判定後、主治医が心身の状態や、病状などについて、意見書の作成を行い、二次判定に引き継がれます。

入居契約書

入居契約書とは、有料老人ホームなどへ入居をするときの契約書です。入居に関するいろいろな条件等が記載されています。有料老人ホームでは、情報の公開が義務付けられています。入居契約書の内容は、施設概要、各種サービス内容、費用、運営体制、入居・退去等などが記載されています。特に、「契約解除」の項目がちゃんと記載されているか、確認することが重要です。有料老人ホームと契約する前に、熟読し、内容を正確に理解しておくことが必要です。

【入居契約書 一口メモ】
入居契約書と重要事項説明書は内容が異なる場合があります。その場合、優先となるのは、入居契約書の方になります。

重要事項説明書

有料老人ホームなどで、ホームの概要やサービス内容など、重要な事項を説明した資料です。有料老人ホームでは、重要事項説明書の作成が義務付けられており、また、情報の開示を求められたら、公開しなければなりません。重要事項説明書の内容は、事業者や施設の概要、各種サービスの内容や料金、職員体制、入居者状況、入居・退去等などが、国が定めた標準書式を原則として記入されています。有料老人ホームを選ぶ際に、重要な資料で、契約前にしっかりと熟読しなければならない書類のひとつです。

【重要事項説明書 一口メモ】
有料老人ホームの書類等で、情報の公開が義務付けられているのは、最低限で「重要事項説明書」「契約書」「管理規定」です。入居金が必要なホームではさらに、賃借対照表や損益計算書などの「財務諸表」を求められれば開示しなければなりません。

ケアプラン

「介護サービス計画」とも呼ばれます。介護保険対象のサービスを適切に受けられるように、サービスの種類や内容をどのように利用するか決める計画です。ケアプランでは、利用者の住宅や家庭などの生活環境や、痴呆などの心身状況を考慮して、サービスのタイプや利用頻度などを決めることができます。ケアプランの作成は、本人や家族などが作ることもできますが、適切なサービスを提供するためには、利用者のいろいろな希望を適切に把握したり、保険や医療や福祉などのサービス提供機関との調整など、幅広い視点からの計画・作成が必要になってきます。よって、介護支援専門員などの専門家にお願いする場合が多いようです。ケアプラン作成は、各市区町村の窓口の他、在宅介護支援センター、介護保険施設、訪問介護ステーション、病院などの施設で受付を行っています。ケアプランの作成を個人で行った場合、市区町村の介護保険担当の窓口に提出する必要があります。また、作成にかかる費用ですが、全額保険で給付されます。

デイサービス

在宅サービスのひとつで、要介護・要支援の高齢者を対象としたサービスです。日帰りでデイサービスセンターなどの施設で、サービスを利用します。入浴、食事の提供、リハビリ訓練、レクリエーション、行き帰りの送迎など、幅広いサービスを受けることができます。別名「通所介護」と言います。特定施設入所者生活介護の指定を受けた、有料老人ホームやケアハウスの入居者を対象としているサービスでもあります。デイサービスは、利用者の日常生活動作の向上や健康の保持、心身機能の維持を考えた上で、施設で楽しく過ごせるように配慮されています。また、デイサービスを利用することで、自宅での介護者の負担が軽くなります。

【デイサービス 一口メモ】
デイサービスは在宅サービスのひとつですが、在宅サービスを利用するには、ケアプランを作り、利用するサービスの種類や利用頻度を決めなければなりません。また、費用ですが、介護保険を利用でき、支給限度基準額内であれば、一割負担です。基準額を超える場合は全額負担になります。

ショートステイ

ショートステイとは、介護をしている家族が、急な用事や仕事、病気などで一時的に介護が困難な状態になった時に、有料老人ホームや特別養護老人ホーム、医療機関、介護老人保健施設で一週間程度預かることです。ショートステイを利用する目的の条件等はなく、介護に疲れたので休養したいとか、旅行に行くなどの私的理由でも問題ありません。介護の負担を軽くすることを目的としています。別名「短期入所サービス」とも呼ばれます。

【ショートステイ 一口メモ】
ショートステイをする場合の費用は、「短期入所生活介護」の指定を受けているホームであれば、介護保険が利用できます。短期入所生活介護の指定を受けている有料老人ホームは少なく、とても人気があります。ショートステイをするのに、数ヶ月前から予約をしなければならない場合もあります。

グループホーム

認知症の高齢者が、5~9人の少人数のグループで、で共同生活を送る施設のことです。民家などを認知症対応に改造して、家庭的な環境の中で生活をともにします。65歳以上で、介護度1以上の安定した状態で共同生活をすることに支障のない認知症の高齢者であれば入居ができます。共同生活をするのが難しい人や、著しく異常な行動面がある人、重度の認知症の人は利用できません。資金は、入居金と毎月支払う費用が必要です。施設のスタッフが介護サービス計画に基づき、食事や入浴、排泄介助などの日常生活の支援サービスを提供し、入居者の能力に応じて掃除などの家事を役割分担し、スタッフと入居者が協力しながら共同生活を送ります。

高齢者ケア付住宅

一般の住宅やマンションを、高齢者向けにした住宅です。車椅子での生活になっても支障がないようにバリアフリーにしたり、緊急時の通報ができたり、食事のサービスがあったりします。高齢者ケア付き住宅によっては、ヘルパーステーションを併設していたり、要介護になった場合は、外部の介護事業サービスを利用したり、要介護度が高くなると、退去しなければならない場合もあります。入居契約の際は、入居金やケアサービス費、介護基金などが必要になります。入居の条件は、60歳以上または、夫婦の場合はどちらかが60歳以上で、要介護認定を受けていない高齢者です。別名、「ケア付マンション」、「介護マンション」とも呼ばれます。

有料老人ホーム

民間企業や社会福祉法人などが運営している、入居費やサービス料が有料の高齢者向け住宅のことです。有料老人ホームとは、高齢者を入所させ、食事や入浴などの日常生活をする上で必要な便宜を供与することを目的とする施設で、老人福祉施設ではないものです。入居年齢はホームによって異なり、だいたい60~65歳以上としているようです。健康で自立した人対象の「健康型」、要介護になった場合は委託先の介護事業所から介護サービスを受ける「住宅型」、ホームまたは介護事業所のスタッフから介護サービスを受けられる「介護付き」の3タイプがあり、入居者の状態や好みに合わせて選択することができます。運営者が公的機関ではないので、有料老人ホームの費用やサービス内容、設備などはホームごとに異なります。

軽費老人ホーム

身寄りがなかったり、家族との同居ができないなどの家庭や環境の事情で居宅で生活ができない高齢者が、少ない自己負担で入居できる福祉施設です。身の回りのことが自分でできる60歳以上の人が対象です。また、夫婦であれば、どちらかが60歳以上であれば入居できます。食事付きのA型と食事なしの自炊B型があり、A型は所得制限があり、B型には健康状態が自炊ができる程度であることが条件です。軽費老人ホームに入居後に、要介護認定を受けた場合、一般住宅と同じように、訪問介護などのサービスを受けることができ、特定施設入居者生活介護の指定を受けている軽費老人ホームでは、施設スタッフによる介護を受けることができます。

特別養護老人ホーム

要介護認定をうけた65歳以上で、寝たきりや認知症など常時介護が必要で、自宅での介護が難しい高齢者を対象とした老人福祉施設です。通称「特養」、介護老人福祉施設とも呼ばれています。月額の費用が定額で入居希望者が多いので、入居するまでに2~3年かかります。また、以前は相部あ屋がほとんどでしたが、現在は個室化が進んでいます。施設のサービス計画に基づき、入浴や食事、排泄などの日常生活の介助や、機能訓練、健康管理などのサービスが受けられます。

【特別養護老人ホーム 一口メモ】
特別養護老人ホームは、以前は申込み順に入所が可能でしたが、現在は要介護5で一人暮らしであったり、虐待を受けているなどの、緊急度の高い人から入居できるシステムになっています。今後は、経済力に問題があり、有料老人ホームには入居ができない人など、入居条件が一層厳しくなっていくとみられます。

養護老人ホーム

養護老人ホームは、老人福祉法に基づき定められている老人福祉施設のひとつです。経済的な事情や家庭環境的な理由から自宅での生活が難しい65歳以上の高齢者を受け入れる福祉施設です。主に、生活困窮者を対象としており、生活保護法の養老施設の流れをくんでいるようです。入所は公的な機関の判定により決定されます。養護老人ホームへ入所した後は、入所者が自立した日常生活を送れるように、接遇に関する計画により、社会復帰を促したり、自立のために必要な訓練や指導、その他の援助をします。また、2006年の介護保険制度改正により、要介護認定を受けた場合、訪問介護などの居宅サービスや外部サービス利用型特定施設入居者生活介護の指定を受けることができるようになりました。

療養医療施設

介護保険施設のひとつで、要介護1以上で、病状が安定し、リハビリや長期療養が必要な高齢者が、入所できます。介護保険施設には、特別養護老人ホームと老人保健施設がありますが、中でも療養医療施設はいちばん手厚い医療体制です。介護療養型医療施設とよばれ、療養型病床と老人性認知症疾患療養病床があります。療養型病床には、介護保険適用のものと、医療保険適用のものがあります。医療機関であり、介護サービスを受けることもできます。老人性認知症疾患療養病床は、はいかいなどの問題行動がある認知症高齢者を受け入れ、精神病床の中などに設置されています。

【療養医療施設 一口メモ】
療養医療施設の療養型病床は、介護保険適用の病床を、2011年度末までにすべて廃止し、介護保健施設や有料老人ホームに転換され、医療型の療養病床になるようです。

老人保健施設

病院での入院治療は終了し、病状が安定しているが、まだ在宅での生活が難しい高齢者を受け入れる施設です。病院と自宅の中間施設という位置付けで、通称「老健」と呼ばれています。老人保健施設では、家庭復帰を目標とした、集中的なリハビリテーションを受けることができます。原則的に、自宅へ帰るためのリハビリ施設なので、入所できる期間は限られています。

【老人保健施設 一口メモ】
老人保健施設は自宅復帰のためのリハビリ施設ですが、自宅での受け入れが難しい、特別養護老人ホームへの入所待ちの高齢者が老人保健施設へ長期入所する場合が増えています。

老人福祉施設

高齢化社会である現在、有料老人ホームをはじめとする、高齢者のための施設は多種多様になってきています。なかでも、老人福祉施設は、高齢者の福祉を図るため、老人福祉法に基づいた施設のことで、都道府県や市町村や社会福祉法人が設置をしています。老人福祉施設には、在宅サービスに関する「老人デイサービスセンター」、「老人短期入所施設」、「老人福祉センター」、「老人介護支援センター」と、入居施設の「特別養護老人ホーム」、「養護老人ホーム」、「軽費老人ホーム」があります。

【老人福祉施設 一口メモ】
老人福祉施設には含まれないが、内容などが似通った別名称の高齢者施設がいくつかあります。これは、利用者にとってはあまり関係のない、根拠となる法律や監督官庁の違いによるものです。なお、有料老人ホームは、老人福祉法上、老人福祉施設には含まれません。

注意したい有料老人ホーム

有料老人ホームはたくさんありますが、中には、注意が必要な施設があります。契約書等の必要書類を事前に入手できないことがあります。本来、契約書等の必要書類は、情報開示の義務があります。また、契約するためには、事前に入手し、内容を熟読・確認する必要があります。書類を契約直前まで見せてくれない、契約後にしか渡さない有料老人ホームは、要注意です。見学に行ったときなどに、契約を急がせる有料老人ホームがあります。せかされると、焦ってしまい、冷静に判断ができなくなります。また、パンフレットや見学時の説明などに、「安心」「快適」などのあいまいな表現ばかりを使うホームも注意が必要です。具体的にどうなのか、説明を求める必要があります。

運営懇談会を定期的に開いていない施設があります。運営懇談会とは、入居者と家族と施設スタッフが集まり、ホームのいろいろな問題を、お互いに話し合う場です。有料老人ホームのサービスなどの改善に積極的ではないということになります。スタッフの態度が悪い有料老人ホームは避けましょう。スタッフが挨拶をしない、笑顔がない、服装がだらしない、だらだらと仕事をしているなど、態度が悪いスタッフから、気持ちの良いサービスは受けられないでしょう。

情報収集や見学をして、理想の有料老人ホームを見つけても、実際に住んで見なければ、わかりません。しかし、体験入居を断る有料老人ホームがあります。施設との相性が合っているか、実際のサービスがどうか確認するためにも、体験入居ができない有料老人ホームは避けましょう。少しでも、不審な点があった場合、自分が納得するまで、説明を求め、施設側がはっきりしない場合は、要注意であり、そういう有料老人ホームは、他の部分で気に入ったとしても、避けましょう。

有料老人ホーム見学でやっていはいけないこと

有料老人ホームには、実際に生活をしている入居者が多数います。入居者や施設に迷惑をかけないために、有料老人ホーム見学でやってはいけないことがあります。


●予約をしないで見学に行く
予約をしないで見学に行くのはやめましょう。予約なしで見学に行くと、有料老人ホームでのありのままの生活を見ることができますが、入居者には、生活のリズムがあり、施設にも忙しい時間帯があり、見学に対応できないことがあります。落ち着いて説明を聞き、疑問を解決するためにも、事前に情報収集をした上で、必ず見学の予約をしましょう。

●大勢で見学に行く
大勢で見学に行くのはやめましょう。希望に合った有料老人ホームを見つけるために第三者の意見を聞くことは大切です。2、3名での見学であれば、問題はないですが、それ以上の人数では、入居者に不快感を与えてしまうこともあります。また、見学中は、大声を出さず、静かに見学しましょう。

●勝手に写真撮影をする
見学の際に、カメラを持参することは、情報収集のためとても大切ですが、勝手に写真撮影をすることはやめましょう。入居者にはプライバシーがあります。必ず施設のスタッフに撮影の許可をもらってから、撮影しましょう。また、なるべく入居者が写真に写らないように配慮をすべきです。

●勝手に行動する
有料老人ホームのスタッフが説明をしているときや、見学中に勝手に行動するのはやめましょう。入居者にとっては生活空間である施設内を、歩き回ったり、勝手にドアを開けて部屋を覗いたりするのは、失礼ですし、防犯上よくありません。見学したい場所があるときは、スタッフに希望を伝え、同伴のもと、見学するようにしましょう。


入居者にとって有料老人ホームは家です。お互いに気持ちよい時間を過ごすために、マナーを守って見学に臨みましょう。

有料老人ホームの見学時にもらえる書類

有料老人ホームの見学時に、もらうことのできる書類があります。2006年の老人福祉法の改正に伴い、有料老人ホームの情報開示が義務付けられました。開示が義務付けられている主な情報は、パンフレット、重要事項説明書、管理規定、入居契約書、介護サービスなどの一覧表、サービス料金表、特定施設利用契約書、財務諸表、事業収支計画です。

これらの情報は入居者や入居希望者が開示を求めた場合、有料老人ホーム側は、情報開示をしなければなりません。契約は、有料老人ホームと入居者の契約になります。見学の際、必要書類として用意してもらい、熟読し、内容を理解しておく必要があります。見学時にもらえる書類で、契約に関する書類は、入居契約書、重要事項説明書、管理規定、特定施設利用契約書などです。施設概要や費用、サービス、運営、契約解除についてなど、有料老人ホームについてのほぼすべてが書かれています。

また、入居一時金が必要な有料老人ホームには、さらに、賃借対照表や損益計算書などの財務諸表の開示が義務付けられ、事業収支計画はなるべく公開するように指導されています。その他にも、食事のメニューやイベントの予定表、ホームで発行している「便り」などで、有料老人ホームでの生活等を確認することができますので、入手しておきましょう。

有料老人ホームとの相性と体験入居

有料老人ホームの見学ポイントには、サービスや設備、施設の雰囲気やスタッフの態度など、いろいろありますが、有料老人ホームと自分との相性も忘れてはならないポイントです。どんなに、サービスや設備が充実していて、優秀なスタッフがそろっていても、入居者やスタッフとの相性が合わなければ、快適な有料老人ホーム生活はできません。施設と自分の相性を確かめるためには、一日のみの見学よりも、一週間程度の体験入居をしてみましょう。

実際に有料老人ホームで入居を体験しすることで、パンフレットやホームページなどからの情報や見学では気がつかなかったことが、見えてくるはずです。自分と話の合う入居者はいるか、スタッフとは気軽にコミュニケーションを取る事ができるかなど、体験入居中にしっかりと確認しましょう。サービスや設備が自分に合っているかも重要です。例えば、有料老人ホームのイベントが自分の負担にならない程度の回数か、また、回数が多い場合、参加不参加の選択はできるかなどです。

有料老人ホームでの生活の楽しみのひとつである、食事との相性も重要です。食事の味付けや盛り付けなど、自分に合っているか確認しましょう。また、居室との相性は良くなければなりません。窓からの風景や、部屋の清潔さなど、体験入居で住み心地を確認しましょう。物理的な相性については、自分に合っていない場合、変更や追加などで対応できるかの確認も必要です。

有料老人ホームの入居者やスタッフの態度や雰囲気

有料老人ホームの入居者やスタッフの態度や雰囲気は、パンフレットやホームページなどの資料では分からない部分ですが、とても重要なポイントです。有料老人ホーム入居者がどのような表情で生活してるかは、とても大切です。入居者がリラックスした表情やいきいきとした表情で過ごしているか、入居者同士の雰囲気は穏やかであるか、観察してみましょう。もし、入居者の表情がどこか暗かったり、無表情だったりした場合、施設のサービスやスタッフに問題があるのかもしれません。また、可能であれば、入居者と直接話をしてみましょう。有料老人ホームの生活についてなどを生の声で聞くことができ、とても参考になります。

有料老人ホームのスタッフの態度や雰囲気は、スタッフの教育レベルや介護の質を見極める重要な要素です。スタッフがいきいきとした表情で、楽しそうに仕事に臨んでいるか、入居者やスタッフ同士の雰囲気がアットホームか、お互いに挨拶を交わしているかなど、しっかりと確認しましょう。入居者とスタッフ間のコミュニケーションは取れているかなど、見学をしてみないと分からない、入居者やスタッフの態度や雰囲気をしっかりと観察し、確認しましょう。

有料老人ホームのサービス

有料老人ホームのサービスについては、前もって取り寄せたパンフレットや、施設のホームページなどで、どのようなサービス内容なのかある程度分かりますが、実際に見学をして、サービスの確認をしましょう。介護保険が関係するサービスについては、介護保険適用基準を満たしてサービスが提供されているか、また、どこまでが介護保険の範囲内のサービスなのか、確認しましょう。

食事サービスについては、独自の工夫をしている有料老人ホームが多いようです。普通の食事内容や、介護食は可能か、可能な場合はどういう感じなのか実際に見てみましょう。また、予約をすれば、見学時に食事の試食ができる場合もありますので、そのときは試食をしてみましょう。有料老人ホームによっては、掃除や洗濯のサービスを専門の業者が提供してる場合があります。料金に影響してきますので、確認が必要です。特に、サークル活動やレクリエーションは、ホームによって内容も提供方法も違ってきます。見学をして、実際の内容や雰囲気とともに、料金の確認もしましょう。

有料老人ホームにはいろいろなサービス提供があります。サービスの名称は同じでも、サービスの内容や提供方法は各施設によってさまざまです。見学では、パンフレットやホームページ上では分からない、実際のサービスの内容や提供の方法を確認することが大切です。

有料老人ホームの設備

有料老人ホームは民間企業により運営されていることもあり、各有料老人ホームによって設備が大きく違ってきます。有料老人ホームの設備は、必要最低限の設備が整っているホームから豪華できれいな設備をそろえているホームまでさまざまです。しかし、設備が豪華な分、入居費用に上乗せされていますので、注意が必要です。自分にとって、必要な設備なのか、また、要介護・要支援になった場合に必要になる設備は整っているか、見極めが大切です。有料老人ホームの設備について、浴室の種類や数はどのくらいか、居室の広さや設備は充分か、食堂は複数設置されているのかなどの住みやすさを考えた設備が整っているか確認しましょう。

有料老人ホームの設備で最も重要なのは、介護関連の設備です。ナースコールや手すりの設置など安全性を考えた設備は整っているか、例えば入居者が車椅子生活になった場合、廊下やエレベーターなどの共有スペースや居室に車椅子での生活に支障がないような設備が整っているかなど、将来ありうる状況に対して、対応できる設備になっているかなど、確認が必要です。有料老人ホーム内の清潔さも大切です。トイレや浴室、食堂などの共有部分や居室の掃除が行き届いていて、清潔感があるかどうか、確認しましょう。

自分が納得がいくまで質問をする

有料老人ホームのパンフレットなどの情報や、実際に見学し、施設のスタッフから説明をうけることで、たくさんの疑問点が出てくると思います。有料老人ホームについて、疑問や不明な点がある場合は、ちょっとしたことや、内容的に聞きづらいことなど、どんなことでも質問しましょう。有料老人ホームは、民間企業によって運営されています。入居者を集めることで利益が生じ、施設の経営が成り立ちます。よって、施設のスタッフは入居者を増やすため、こちらが質問しない限り、有料老人ホームの良い部分しか説明しないのが現状です。

有料老人ホームにとって都合の悪い部分への質問に対し、どのように回答しているかで、その施設のレベルや方針を読み取ることができます。また、回答があいまいだったり、回答ができなかった施設は、今後のトラブルになる可能性がありますので、注意が必要です。老後の生活を預ける大切な場所ですので、疑問や不安点は、すべて施設側に確認や質問をしましょう。「あまりにもささいなことで、質問できない」とか「トラブルや経営については質問しづらい」などありますが、質問してはいけない項目はありません。自分が納得がいくまで、しっかりと質問し、解決することが重要です。

複数の有料老人ホームを見学する

希望に合った有料老人ホームを見つけるために、複数の有料老人ホームを見学をすることは、とても大切なことです。パンフレットやホームページなどでの写真や情報による印象と、実際の印象は異なる場合があり、また、見学をすることで、パンフレットやホームページ上では分からない多くの情報を得ることができます。有料老人ホームを自分の目と耳でしっかり確認しましょう。

有料老人ホームの見学は、できる限り多くの有料老人ホームを見学し、比較検討することが大切です。価格やサービス内容などの説明しやすい部分の他に、施設の雰囲気やスタッフの対応などの教育レベル、緊急時の対応など、施設によって異なります。同じ名称のサービスでも、施設によって内容や提供方法が異なる場合も出てきます。

また、施設ごとに、特に力を入れている部分があります。複数の施設を見学することで、有料老人ホームごとのセールスポイントがどこなのか、見えてきます。多くの有料老人ホームの見学していくと、今まで気がつかなかった内容が見つかる可能性もでてきます。さらに、実際に見学に行くことで、入居者の表情を見ることができますし、施設の周辺の環境も確認することができます。ひとつの有料老人ホームの見学だけで入居を決めてしまい、入居してから後悔しないように、複数の施設の見学を必ず行いましょう。

有料老人ホームのクーリングオフ

クーリングオフとは、契約してから90日以内に契約を解除した場合、入居一時金は居住期間の利用料などを除いた全額を返還するという制度です。有料老人ホームへ入居した時点で、入居一時金は初期償却され、早期に退去した場合、入居者に負担が増えてしまう可能性がありますので、しっかり確認しておきましょう。クーリングオフで注意したいのは、都道府県によって、クーリングオフの対象となる入居一時金の範囲が異なることです。

入居一時金には、一般的に返金されない入居申込金や施設協力金、返還金制度の対象の終身利用権や前払い分の施設利用料、要介護の場合は介護一時金などが含まれます。クーリングオフの対象を入居一時金全額対象としているところや、返還金制度適用の終身利用権や前払い分の施設利用料、介護一時金などのみを対象としているなど、都道府県によって異なってきますので、クーリングオフの対象となる範囲を確認しておく必要があります。

また、クーリングオフにより、契約を解約した場合、入居していた間の施設利用料などを除いた全額が返還されますが、入居一時金のクーリングオフ対象額から差し引かれる金額の計算方法は有料老人ホームによって異なります。さらに、クーリングオフは入居契約書に明示していなければ、適用にならない場合があります。入居契約書を前もって入手し、クーリングオフの内容がしっかり明示されているか、必ず確認しましょう。

有料老人ホームの償却期間と初期償却費

有料老人ホームへの入居一時金には、償却期間と初期償却費があります。入居一時金には、施設利用権や前払い分の施設使用料などに相当する金額をある一定の期間で均等に振り分け、月々や年ごとの支払いに付け足して消費していく、償却期間があります。償却期間は、有料老人ホームによって、数年から数十年までさまざまです。一般的には、自立している人ほど、償却期間が長く設定されています。償却期間内に有料老人ホームから退去する場合、未償却分の入居一時金が、規定の計算方法で算出され、返金されます。これを返還金制度といいます。

また、償却の方法は、月々で償却していく方法や、1年ごとに償却する方法の他にも、不定期に償却される方法など、施設によって異なります。償却方法によっては、退去する日が1日違うだけで、返金額が大幅に変わることがあるので、注意が必要です。さらに、入居一時金には、初期償却費があります。初期償却費は有料老人ホームへ契約・入居した時点で入居一時金の一部が償却され、返金することはできません。初期償却の割合は、ホームによって違いますが、2割~3割に設定されているところが多いようです。入居一時金が安い場合、初期償却費が10割に設定されているところがあります。また、初期償却の割合が低くても、入居申込金などの、もともと返金されない部分の金額が高い場合もあります。

償却期間や償却方法、償却期間内の退去時の返金額の計算方法、初期償却費の割合など、有料老人ホームによって、異なりますので確認が必要です。

有料老人ホームの資金計画

有料老人ホームへ入居するためには、高額な資金が必要になります。自分にどのくらいの財産があるか、また、有料老人ホームのために、どれだけ使えるか資金計画をたてることは、とても大切です。資金計画は、まず、自分の資産や財産の把握をします。家や土地などの不動産の売却金や預貯金の総額資産から、家族への相続分と、入院や介護費などの臨時費用を差し引いた残りの金額が、入居一時金に充てられる資金になります。

資金計画で忘れてはならないのは、毎月かかる費用です。入居一時金は用意できても、毎月の支払いができなければ、入居はできません。毎月かかる費用は、月額利用料だけでなく、その他にも別途かかる費用も考える必要があります。年金や、家族からの援助金などから、毎月支払うことのできる限度額を算出します。また、入居一時金に充てられる資金から、実際に入居一時金を支払い、残金が発生すれば、臨時の費用や毎月の支払いに充てることができます。

余裕のある資金計画を立てるには、有料老人ホームへの入居期間を予測することも大切です。平均余命を算出し、どのくらいの期間有料老人ホームへ住むことになるのか把握すると安心です。また、認知症の進行による退去など考えられるリスクを想定した資金計画をたてることも重要です。

有料老人ホームのその他の費用

入居一時金や毎月かかる費用の他にも必要な費用があります。追加サービス料や個別契約サービス料、医療関連費、介護用品費、趣味活動費、日用品代や電話代などその他いろいろな費用がかかります。

追加サービス料とは、入浴回数を増やすなど、基本のサービスを上回るサービスを提供したときに発生します。基本サービスだと思っていたものでも、追加サービス扱いになる項目があります。基本のサービスがどれくらいなのか、把握しておく必要があります。個別契約サービス料とは、介護保険の対象外のサービスを個別契約して提供してもらったときに発生する料金です。例えば、買い物の代行や通院の送迎などです。ほとんどの有料老人ホームではサービスの一覧表が作成されています。料金設定など、ホームごとに異なるので、内容を確認してみましょう。

その他にも、病院への通院に伴う診療費や薬代などの医療関連費、おむつなどの介護用品費、趣味やサークルへの参加費や材料費などの趣味活動費、有料老人ホームで生活する上で消耗する日用品代や電話代など、利用した分を後から支払うようになります。施設によっては、月額利用料に含む場合もあります。入居者が有料老人ホームでどのような生活を送りたいかによって、費用も変わってきます。追加で加算される料金も含め、毎月かかる費用を考える必要があります。

有料老人ホームの毎月かかる費用

毎月かかる費用に含まれる項目は、居住費、管理費、食費、水道光熱費などの月額利用料や、介護サービス費などです。居住費は、入居一時金で終身相当までの全額を支払っていない限り、毎月の支払いに含まれます。管理費は、有料老人ホームの共有部分の維持費や施設のスタッフの人件費・事務費などが含まれ、利用した分ではなく、定額制が一般的です。また、施設によって、管理費に含まれる項目はさまざまです。有料老人ホームに確認する必要があります。

食費の料金の単位は、一食ごとから一ヶ月まとめてまでさまざまです。また、実際に食べなかった食事でも、期限までに申告できなかた場合は請求されることがあります。有料老人ホームによっては、食堂の厨房の維持費や人件費を含む場合もあります。水道光熱費は、管理費に含まれることが多いようです。管理費に含まれない場合は、定額制なのか、利用した分を請求されるのか、確認が必要です。

要介護認定を受け、介護サービスを受けている場合、介護サービス費がかかります。介護保険適用内は一割の自己負担です。介護付有料老人ホームの上乗せサービス料や、住宅型有料老人ホームで一ヶ月の介護保険利用限度額を超えた分の料金などの、介護保険適用外の部分は全額自己負担になります。毎月かかる費用に含まれる項目に基準はありません。有料老人ホームごとに含む、含まないの差がありますので、充分に確認する必要があります。

有料老人ホームの入居一時金

入居一時金とは、有料老人ホームへ入居するために支払う費用のことです。入居一時金は、施設によって変わってきますが、入居申込金や施設協力金などの居住権に関係のないものと終身利用権や前払い分の施設利用料などの居住権に関するものに分類されます。施設協力金とは、有料老人ホームの設備導入や維持管理に関する費用です。また、終身利用権とは、所有権のことではなく、入居している間は施設を利用できる権利のことです。

介護付有料老人ホームでは、入居一時金に介護一時金が含まれる場合があります。要介護者は介護保険により、一割負担で介護が受けられますが、介護一時金は、それとは別に介護保険適用外でかかる費用を前払い分で徴収している場合が多いようです。入居一時金には、途中で退去する場合などに、返金される部分と返金できない部分があります。居住権に関係のない入居申込金や施設協力金は、返金されません。居住権に関係する終身利用権や前払い分の施設利用料や介護一時金は償却期間内に途中退去した場合、規定の計算により算出された金額が返金されます。

入居一時金の料金は、有料老人ホームによって違いますが、数十万~数千万円とさまざまで、中には0円という施設もあります。また、償却期間があり、数年~20年くらいが一般的です。償却期間が過ぎた場合、毎月の支払を行っていれば有料老人ホームに住み続けることはできますが、施設によっては新しく契約が必要な場合があります。

有料老人ホームの費用の仕組み

有料老人ホームの費用は、おおまかに「居住に関する費用」「生活のための費用」「介護・医療の費用」「その他の費用」などがあります。これらを「入居金・入居一時金」や「月額利用料」、「その他の費用」などに分かれた料金体系に分類され、支払うシステムになります。

有料老人ホームへ入居する時に最初に支払うことになる、入居金・入居一時金に含まれる費用は、ホームへの入居保証金、終身利用権、前払い分の施設利用料、介護一時金、入会金や施設協力金があります。入居金・入居一時金には、途中退去した場合、返金される部分と返金されない部分があります。また、施設によっては、入居金・入居一時金が0円というところもあります。しかし、その場合は毎月支払う費用に上乗せする形となり、毎月支払う費用の負担額が増えるのが一般的です。

毎月かかる費用には、居住費や管理費、食費などの月額利用料や、要介護と認定された場合は、介護サービス費が含まれる場合もあります。その他にも、追加サービス料や個別契約サービス料、通院や入院の医療関連費、オムツなどの介護用品費、趣味活動費、日用品代や電話代などが利用状況により徴収されます。有料老人ホームの費用は、入居金・入居一時金と毎月支払う費用にどのように振り分けて支払うようになるかは、施設によって、さまざまです。

有料老人ホームの立地条件

有料老人ホームの立地条件はとても重要です。有料老人ホームに入居後、1日中施設で過ごさなければならないわけではありません。自立した人は自由に散歩や買い物に行くことができますし、要支援や要介護の人も、家族や有料老人ホームのスタッフと一緒に外出することができます。有料老人ホームの理想の立地条件は、入居者ごとに違います。自然がたくさんあるところが良いという人がいれば、繁華街のにぎやかなところが好きという人もいます。入居者の気持ちを考えて選ぶ必要があります。

また、有料老人ホームの立地条件として、近くに家族の住まいがあるかないかは、大切です。家族の住まいが近い場合は、頻繁に入居者に会いに来ることができ、入居者本人も安心します。しかし、家族の住まいが遠い場合は、頻繁に訪問することが難しくなります。その他にも、散歩しやすい公園などがあるか、ちょっとした買い物に適したお店が近所にあるか、娯楽施設は周辺にあるか、有料老人ホームの周辺の雰囲気はどうか、など、チェックが必要です。また、周りの道路の交通量や歩きやすさ、歩道の有無、歩道の幅、車椅子でも歩行可能かなどの確認も必要です。また、入居者にとって、有料老人ホームの立地に対し不都合なことがある場合、それに対し施設側が対処している場合があるので、確認してみましょう。

有料老人ホームのサービス内容

有料老人ホームのサービスで、いちばん重要なのは、介護サービスです。介護サービスは、有料老人ホームの種類によって体制が異なります。


●介護付有料老人ホームの一般型
介護付有料老人ホームの一般型は、介護スタッフが24時間常駐し、スタッフの人数は、要介護者3人に対し介護スタッフ1人以上が基準です。施設によっては、手厚い介護のために、介護スタッフ1人以上に対し要介護者2~1.5人という場合もありますが、上乗せサービスとなり、追加料金が発生します。

●介護付有料老人ホームの外部サービス利用型
介護付有料老人ホームの外部サービス利用型は、ケアプランや日常の健康安否は施設のスタッフが行いますが、介護や支援自体は有料老人ホームが提携している外部の介護サービス事業者が行います。よって、夜間体制や、急に介護が必要になった場合の対処を確認する必要があります。

●住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、施設自体に介護サービスはありません。介護サービスを受ける場合、入居者個人が外部の介護サービス事業者と契約する必要があります。しかし、実際は、施設内などに提携している介護サービス事業者があり、そこから、サービスを受ける場合が多いようです。この場合も、緊急時や夜間の対応を確認しておく必要があります。


また、その他のサービスは、食事サービスでは、食事は食堂で食べるか、固さ・味・量などの調節は可能か、介護食への対応などの確認が必要です。入浴サービスでは、個人浴か共同浴か、入浴システムについて、いちばん需要なのは、入浴回数です。毎日できるのか、週何回と決まっているのか確認しましょう。レクリエーションや趣味サークル活動はどのように行ってるか、認知症のケアはどのようにしているか、リハビリの体制はどのようになっているかなど、有料老人ホームのサービスには、他にもいろいろあります。施設によって、内容や力を入れているサービスが異なりますので、しっかりと確認しましょう。

有料老人ホームの運営スタイル

有料老人ホームは、ほとんどが民間運営です。特別養護老人ホームなどのような公的機関ではないので、経営不振や倒産の危険性があります。経営状況を知ってもらうために、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表や決算書をすすんで開示している有料老人ホームもあります。これは、大きな指標となり、とても重要なことですので、確認が必要です。また、現在運営中の有料老人ホームでは、入居率がどのくらいかも重要です。

有料老人ホームの運営について、経営体質も大切です。過去のトラブルや有料老人ホームでは応えることのできないニーズなどを実際の例や数値を挙げて説明をしている有料老人ホームは信頼がおけると思います。また、有料老人ホームの入居者が直接不満を伝えられる場を設けたり、家族との懇談会などを定期的に催していることも大切です。遠方の家族のために、「便り」を出している有料老人ホームもあり、入居をする前だけでなく、入居後にもしっかりと情報を提供している有料老人ホームは運営にも信頼が持てます。

有料老人ホームの雰囲気やスタッフの態度、電話対応や説明の仕方などに施設の経営者の理念などが、出てきます。見学に行ったときなどに、注意して見てみましょう。有料老人ホームの運営について、少しでもわからないことや不安があれば、遠慮なく質問しましょう。

有料老人ホームの生活スタイル

有料老人ホームでの生活スタイルは施設によってかなりの違いがあります。今までの自分の生活スタイルと、これから入ろうとしている有料老人ホームの生活スタイルを比較し、自分に合っているかどうか考えてみましょう。有料老人ホームのおおまかな1日の流れは、起床→食堂で朝食→自由時間とレクリエーション→食堂で昼食→自由時間とレクリエーション→食堂で夕食→自由時間→就寝です。入浴は一日を通して順番に入ります。また、排泄介助は呼ばれたときと、起床後や入浴前など時間を決めて行います。有料老人ホームでの生活はほとんどが、集団生活ですが、個人の意思の尊重を優先にしている施設が多いようです。

有料老人ホームでの生活で、レクリエーションは、多くの有料老人ホームで午前と午後に1回づつ行われます。レクリエーションを始める前に入居者全員に声をかけますが、参加したくない人には、無理強いはしないホームが多いようです。また、定期的にイベントを催したり、趣味サークル活動を行っている有料老人ホームもあります。外出についても、自立している人は、自由に散歩や買い物など外出ができますし、介護が必要な人も、スタッフが付き添いで、外出が可能です。有料老人ホームの生活のが負担にならないように、自分の生活スタイルを変えていく必要はあります。

有料老人ホームへの入居時期

希望に合った有料老人ホームを見つけても、すぐに入居ができない場合もあります。希望の入居時期に有料老人ホームへ入居するためにも、早めに情報収集をする必要があります。有料老人ホームの入居条件の中に、対象年齢が設定されています。施設によって違いますが、一般的に、60歳以上や65歳以上に設定されています。実際には、70~75歳くらいが理想のようです。

有料老人ホームへの入居は情報収集や、見学・入居体験など自分に合った有料老人ホームを探したり、理想の施設が見つかったら、契約について話し合ったり、いろいろな書類をまとめたり、大変な作業です。さらに、引越しなど体力のいる作業もあります。また、今までの生活から、有料老人ホームでの集団生活に環境が変化するすことは、精神的に負担になることがあります。体力や気力のある70~75歳くらいまでに入居する有料老人ホームを決めておけると良いでしょう。

有料老人ホームを探し始めてから、希望に合った有料老人ホームを見つけるまでに、入居希望者が要介護状態となり、突然入居が必要になる場合もあります。将来的に有料老人ホームへの入居を希望している人は、入居したい時期に入居できるよう、早めに行動しましょう。

有料老人ホームの利用可能期間

有料老人ホームによっては利用可能期間が限られる場合があります。利用可能期間は、入居条件と退去条件から成り立っています。健康型有料老人ホームは入居条件が健康な自立している人で、退去条件が要介護や要支援になった時点なので、利用可能期間は健康で、自立している期間になります。しかし、同施設内や提携で介護付有料老人ホームがある場合、転居できることもあります。また、介護付有料老人ホームの介護専門型は、要介護・要支援の人のみが利用可能となっていますが、退去の条件はとくにありません。さらに、介護付有料老人ホームの混合型や住宅型有料老人ホームについては、施設によっては少し異なりますが、自立している人から要介護の人まで利用可能です。

有料老人ホームの3種類の中で、入居時と退去時の条件が明確になっているのは、健康型有料老人ホームのみですが、有料老人ホームの種類の他でも、施設の設備や医療体制、提携している医療機関の協力の度合いにより、いろいろな条件が細かく定められています。実際には、「病院への入院期間が長期にわたる場合」「認知症が重症化してきたとき」「気管切開など、医療行為の必要度が上がった場合」「共同生活の秩序を乱した場合」などさまざまです。有料老人ホームの利用可能期間は、有料老人ホームの種類による条件と施設の設備や医療体制、提携医療機関の協力度による条件などが組み合わされることで、ある程度想定できるようです。

有料老人ホームの保険の利用形態